1.はじめに:ストレングスファインダーと活発性の概要
ストレングスファインダーとは、米国の心理学者ドン・クリフトンが開発した能力開発のツールです。34の資質を診断し、個々人の「強み」を見つけ出すことを目的としています。その中の一つ、「活発性」にフォーカスします。
活発性は、行動力やエネルギー、前向きさを指す資質で、活発性が高い人は積極的に行動し、チームに活気を与えます。しかし、この資質が強ければ良いというものではありません。自身の活発性レベルを理解し、適切な場面で効果的に活用することが重要です。
本稿では、ストレングスファインダーの一部である「活発性」について詳しく解説し、その活用法を提案します。
2.活発性の特徴と強み
(1)活発性が高い人の行動パターンと感情的特徴
ストレングスファインダー活発性が高い人は、いつもエネルギーに満ち溢れ、行動的な傾向があります。新しいアイデアや計画を実行する際にも、その場その場の活力で物事を前進させることができます。
感情的特徴としては、ポジティブで楽観的な性格が多く見られます。何事も明るい視点からとらえ、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢があります。
また、自分自身だけでなく周囲の人々にも活力を与えることができ、チームや組織のムードメーカーとなりやすいです。つまり、活発性が高い人は行動力とポジティブさを兼ね備えた、エネルギッシュな存在と言えます。
これらの特徴を下記表にまとめました。
行動パターン | 感情的特徴 |
---|---|
エネルギッシュで行動的 | ポジティブで楽観的 |
物事を速やかに前進させる力 | 前向きな姿勢 |
周囲に活力を与える | ムードメーカーとしての役割 |
(2)活発性の長所と短所
活発性が強い人は、エネルギーが溢れ、行動力が高い特徴があります。何事も積極的に取り組み、他人を巻き込んで行動を起こす力が長所であり、プロジェクトを推進したり、困難な課題に直面した際も最後まで挑戦し続ける勇気を持つ一方で、短所としては、落ち着きがなく見えることや、他者の意見を聞く余裕がないという印象を与えることもあります。
以下に表形式で活発性の長所と短所をまとめてみます。
【活発性の長所と短所】
長所 | 短所 |
---|---|
行動力が高く、物事を推進する力がある | 落ち着きがなく見えることがある |
困難な課題にも積極的に挑戦する勇気がある | 他者の意見を聞く余裕がない印象を与える可能性がある |
これらの長所を活かしながら、短所に対する理解と改良を考えていくことが大切です。
(3)活発性を活かすための具体的な声かけ
活発性の高い人は、周囲からエネルギーレベルの高さを感じられるような声かけをすることで、その特性を最大限に活かすことができます。
1.「アイデアを出してみて」:活発性の高い人は新しいアイデアを出すことに強みがあるため、具体的なアイデア出しを促せば、その能力を引き出すことが可能です。
2.「リードしてみて」:活発性が高い人はリーダーシップも得意なので、彼らにリーダーとしての役割を任せることで、周囲をエネルギーで満たすことができます。
3.「やってみたいことは何?」:活発性のある人は、自身の欲求や興味を追求することでエネルギーを発揮します。そのため、彼らが何に興味を持っているのかを問い探すことも大切です。
これらの声かけは、活発性を持つ人が自分のエネルギーを最大限に活かし、パフォーマンスを発揮するための支援になります。
3.活発性を仕事で活かす方法
(1)活発性が強みとなる職種・仕事内容
活発性を持つ人はエネルギッシュで、新たな取り組みに積極的に挑戦します。この特性は特に、新規プロジェクトの立ち上げや、スピーディな対応が求められる業務において有効です。
具体的な職種としては、以下のようなものが考えられます。
- プロジェクトマネージャー:新規プロジェクトを進行させ、チームを活気づける
- 営業職:顧客とのリレーション構築に活力が必要
- イベントコーディネーター:様々なタスクを同時進行させ、臨機応変な対応が求められる
これらの職種では、活発性を生かして高いパフォーマンスを発揮することが可能です。しかし、自分自身の活発性の特徴を理解し、適切な環境や役割に位置付けることが重要となります。
(2)活発性を活かした課題解決方法
活発性を活かした課題解決方法としては、まず積極的に行動に移すことが挙げられます。活発性のある人は元気で行動力があり、思いついたらすぐに行動します。そのため、問題を見つけたらただちに解決策を試みることが可能です。
また、チームでの作業では積極的な発言や行動で、他のメンバーを牽引する役割を果たします。自分のエネルギーが周囲にも影響を与え、全体の活気を引き上げることができます。
さらに、活発性のある人は常に新しいことを試すことに喜びを感じます。そのため、新たな解決策を模索する際にも前向きな態度を持ち続けることができます。
故に、活発性を活かした課題解決方法は以下の3つが主です。
- 素早く行動に移す
- チームの活気を引き上げる
- 新たな解決策を前向きに探索する
(3)活発性を活かしたリーダーシップの描き方
リーダーシップを描く際、活発性を活かすことは非常に効果的です。活発性が高いリーダーは、エネルギー溢れる行動力でチームを引っ張り、積極的な姿勢でメンバーのモチベーションを高めます。
具体的には、以下のような戦略が考えられます。
1.【意見提案】進んで意見を出すことで、チーム全体の活性化を図ります。新しいアイデアや斬新な解決策を提案することで、プロジェクトを前進させる原動力となります。
2.【行動力】自ら先頭に立ち、行動に移すことで、メンバーへの信頼を得ます。また、行動することで新たな情報を得ることができ、それを元に更なる解決策を見つけ出すことができます。
3.【高いモチベーション】常にポジティブな姿勢を保つことで、メンバーの士気を高める役割も果たします。活発性を発揮し、チーム全体のエネルギーレベルを引き上げることが可能です。
活発性を活かしたリーダーシップは、組織の持続的な成長と、チームの高いパフォーマンスを実現します。
4.活発性をプライベートで活かす方法
(1)活発性を活かしたコミュニケーション法
活発性の強みを持つあなたは、コミュニケーションにおいてもその特長を存分に活かすことができます。
まず、活発性の特性として「行動力」があります。これは、話し始めることで相手に対する積極性を示し、結果としてコミュニケーションの活性化につながります。また、「スピーディさ」は、物事を早く進める力として活かすことができ、議論をスムーズに進めることが可能です。
次に、「自発性」を活かすことも重要です。自分から発信することで、他人との繋がりを深めることができます。
具体的なコミュニケーション方法は以下の通りです:
【表1: 活発性を活かしたコミュニケーション法】
コミュニケーション方法 | 活用例 |
---|---|
行動力を活かす | 話題の提供、意見の提案 |
スピーディさを活かす | 迅速な意思決定、答えの返信 |
自発性を活かす | 自分から発信、新しいアイデアの提案 |
これらの方法を活用することで、あなたの「活発性」は強みとなり、コミュニケーションの質を向上させることができます。
(2)活発性を活かした趣味・レジャーの楽しみ方
ストレングスファインダー活発性を持つ方々は、自然とエネルギーに満ち溢れ、行動力が豊かであるため、アウトドア系の趣味やスポーツ等がおすすめです。例えば、トレッキングやキャンプ、サイクリングなどは身体を動かすことでエネルギーを発散させ、その豊かな行動力を活かすことができます。
また、新たな挑戦を恐れず、何事にも果敢に取り組む傾向がありますので、旅行や新しいスポーツの試み等もおすすめです。これらの活動は、活発性を活かすだけでなく、自分自身の新たな一面を発見する機会にも繋がります。
表1. 活発性を活かした趣味・レジャーの楽しみ方の例
活動 | 説明 |
---|---|
アウトドア活動 | 体力を使い、エネルギーを発散させることが可能 |
新たなスポーツ | 果敢に挑戦し、未知の体験を得ることができる |
旅行 | 新しい場所や文化に触れ、広い視野を得ることができる |
こうした活動を通じて、ストレングスファインダー活発性を有効に活用し、日常生活を楽しむことができます。
5.活発性と他の資質との組み合わせ
(1)活発性と他の資質が相互作用するパターン
活発性は、他の資質と組み合わせることで効果を強めることが可能です。例えば、「目標志向」の資質を持つ人は、活発性と組み合わせることでその行動力を更に高め、目標達成に向けたエネルギーとなります。
また、「共感性」のある人が活発性を持つと、他人の気持ちを理解し行動する力が加わり、コミュニケーション力が向上します。
以下に活発性と他の資質の相互作用パターンを表形式で示します。
活発性 + 資質 | 相互作用の結果 |
---|---|
目標志向 | 行動力を強化し、目標達成力が高まる |
共感性 | 他人を理解し、行動力と共感力が混ざり合い、コミュニケーション力が増す |
これら以外にも、活発性は多くの資質と相互作用する可能性があります。自身の資質と活発性をどう組み合わせて活かすかを考えることで、より効果的な行動が可能となります。
(2)活発性と他の資質を組み合わせて活かす具体的な方法
まずは、活発性はアクションを起こすエネルギーを持つので、それを他の資質と組み合わせることで、より具体的な結果を生み出すことが可能です。
例えば、活発性と「戦略性」を組み合わせると、スピーディーに行動を起こしながらも、緻密な計画を立てることが可能になります。また、「共感性」と組み合わせることで、人々の感情に対して敏感になりつつ、積極的にコミュニケーションを取ることができます。
以下の表に、活発性と他の資質との組み合わせ例を示します。
活発性との組み合わせ | 活用方法 |
---|---|
戦略性 | スピーディーかつ緻密な計画を立て行動 |
共感性 | 人々の感情に敏感になり積極的なコミュニケーション |
これらの組み合わせは一例ですので、自身の資質と活発性をどのように組み合わせ、活かせるかを考えてみてください。
6.まとめ:ストレングスファインダー活発性を最大限に活かすために
ストレングスファインダーの活発性を最大限に活かすためには、自身の活発性を理解し、それを具体的な行動に移すことが重要です。
まず、自身の活発性がどの程度強く、どういった特性を持つのかを理解しましょう。ここでは、活発性の特徴と強み、長所と短所を把握し、自身と照らし合わせることが大切です。
次に、活発性を活かした行動パターンを探すことが必要です。仕事では、自身の活発性を活かした課題解決方法やリーダーシップを描き、プライベートでは活発性を活かしたコミュニケーション法や趣味・レジャーの楽しみ方を見つけましょう。
最後に、他の資質と組み合わせて活発性をより高める方法を探ることも有効です。他の資質が活発性に影響を与え、新たな強みの創出へつながる可能性があります。
全ては自己理解から始まります。自身の特性を理解し、それを活かすことで、活発性を最大限に引き出すことができます。