ストレングスファインダーの「競争性」の特性と効果的な活用法

February 12, 2024

1. はじめに

あなた自身の強みを理解し、それを戦略的に活用することは、自己成長や職場でのパフォーマンス向上に大きく貢献します。特に、ストレングスファインダーという診断ツールは、個々の人が持つ独自の強みや才能を見つけるのに有用です。

中でも、「競争性」の資質を持つ人は、自己を最高のパフォーマンスへと駆り立てる原動力を内に秘めています。しかし、その強みを適切に活用し、効果的にコントロールする方法を理解することが肝要です。

本稿では、ストレングスファインダーにおける「競争性」の特性と、その活用法について詳しく解説します。また、周囲との関係構築においても「競争性」をどのように活用すればよいか、具体的なアドバイスも提供します。

あなたの素晴らしい「競争性」が、より輝きを放つ一助となれば幸いです。

2. ストレングスファインダーとは？

(1) ストレングスファインダーの背景

ストレングスファインダーは、米国の心理学者であるドン・クリフトンが開発した人材育成のツールです。彼は人間の強み、すなわちストレングスを発見し、その可能性を最大限に引き出すことに重きを置きました。

1970年代にギャラップ社と協力し、200万人以上のインタビューから34の共通するテーマを発見。このテーマが各人の才能の核となる要素であり、ストレングスファインダーの基盤となります。

それぞれのテーマは、以下に示すような表形式で示されます。

No.	テーマ
1	達成欲
2	内省
3	個別化
…	…
33	包含
34	競争性

このように、ストレングスファインダーは、個々の人間が持つ才能を発掘し、その才能を生かすための方策を提供するためのフレームワークとして広く活用されています。

(2) ストレングスファインダーの目的と利用方法

ストレングスファインダーの主要な目的は、個々の自然な才能と強みを理解し、それらを最大限に活用することです。このツールは、人々が自己理解を深め、より効果的に目標を達成できるよう支援します。

利用方法としては、まずストレングスファインダーのテストを受けます。このテストはインターネット上で提供されており、一連の質問に回答することで、あなたのトップ5の強み（才能のテーマ）を特定します。

テーマ一覧表：

テーマ	説明
競争性	他人と比較し、競争を通じて達成感を得る
達成欲	目標や成果に対する強い欲求
学習欲	絶えず学び続けることに喜びを感じる
戦略性	さまざまなシナリオを検討し、最良の道筋を見つける
コミュニケーション	思考や感情をうまく伝える

これらの結果を基に、自身の強みや才能の発揮方法、自己成長のための戦略を練ることができます。

3. 競争性の特性とは？

(1) 競争性の定義

ストレングスファインダーにおける「競争性」は、他者との比較を通じて、自己のパフォーマンスを向上させようとするパーソナリティ特性を指します。競争心が強く、自己の成果を他者と比較することでエネルギーを感じ、その比較から自分自身をより向上させようとします。

以下に、競争性の主な特徴を表形式で示します。

【表1】競争性の主な特徴

特徴	具体例
他者との比較	他人の成果を参照点に設定します
結果重視	勝利や成功を追求し、結果に関心が高いです
向上心	他者との比較から自己を改善しようとする意欲が強いです

このように、「競争性」は比較を通じた自己改善という特性を持ちます。次節では、この「競争性」を持つ人の具体的な特徴について詳しく見ていきましょう。

(2) 競争性の資質を持つ人の特徴

競争性の資質を持つ人は、自己と他者を比較し、自己の成績をチェックし、一歩先を行くことに喜びを感じます。彼らにとって、競争はエネルギー源であり、自身の能力を試す場です。

特に、以下のような特徴が挙げられます。

目標達成への強い欲望： 勝つための目標に対する情熱があります。また、達成した目標は新たな挑戦の糧となります。
他者との比較： 自分のパフォーマンスを他人と比較し、その結果から自己評価を行います。
向上心： 常に自己のパフォーマンスを向上させることを追求します。
エネルギーと活力： 競争的な状況は彼らにエネルギーを供給し、動機づけします。

これらの特性を理解することで、競争性の資質を持つ人々に対する理解を深めることができます。

(3) 競争性資質の可能性とバルコニー・ベースメント

競争性を持つ人は、自身のパフォーマンスを他人と比較し、その結果を通じて達成感を感じます。これは「バルコニー」、つまり競争性の長所となります。成功への強い動機付けは、チーム内で高いパフォーマンスを引き出す可能性を秘めています。

一方、「ベースメント」、つまり短所としては、過度な競争心から他者を蔑視したり、自己中心的な行動をとる可能性があります。

ポテンシャル	バルコニー（長所）	ベースメント（短所）
競争性	高いパフォーマンスを引き出す	他者を蔑視、自己中心的な行動

このように、競争性を持つ人はその特性を理解し、ポジティブな面を最大限に活用しつつ、ネガティブな側面をコントロールすることが重要です。

4. 競争性の効果的な活用法

(1) 競争性の活かし方

競争性を持つ人は、目標やスコア、ランキングなどを設定することで、その達成に向けたエネルギーを引き出すことができます。以下に具体的な手法をいくつか示します。

目標設定: 自分自身に明確な目標を設定し、それを達成することで自己満足感を得ましょう。また、チームや組織全体で共有することも有効です。
フィードバックの活用: 競争性を活かすためには、定期的なフィードバックが必要です。自身のパフォーマンスを他者と比較し、自己改善につなげてください。
自己競争: 過去の自分と比較し、常に成長し続けることを目指します。

これらの手法を用いて、競争性を活かすことで、自身の成長を促進させることが可能です。競争性は個々の成長だけでなく、チーム全体のモチベーション向上にも寄与します。

(2) 競争性的リーダーシップのとり方（マネジメント活用）

競争性を活かしたリーダーシップでは、元々の自己を強化することで強みを発揮します。目標達成を追求し、成功をゲームと見立てることで楽しみながら高いパフォーマンスを引き出すという特性があります。

まず、具体的な目標設定が必要です。競争性のあるリーダーは、目標が明確な場合に最も力を発揮します。そのため、目標を明文化し、それを達成するためのステップを具体的に定義すると良いでしょう。次に、達成した結果を積極的に表彰しましょう。それはチーム全体のモチベーション向上に繋がります。

また、競争性のあるリーダーは、他者との比較を通じて自己の進歩を測る傾向があります。それらの情報を利用して、自身やチームのパフォーマンスを向上させるような戦略を立てることが重要です。

(3) 競争性を持つ人のモチベーションのありか

競争性を持つ人は、他人との比較や競争から刺激を受け、その結果がモチベーションの源であると言えます。具体的には、目標の達成や成績の上位、他者を超えることに対する強い欲求が特徴となります。

表1. 競争性を持つ人のモチベーション

モチベーションの源	例
成果の達成	業績目標の達成、新商品の開発成功など
他者との比較	自身の業績が他者を上回ったとき、他のチームを上回ることなど
勝利への欲求	コンテストで1位をとる、競争相手を倒すなど

このように、競争性を持つ人は競争を通じてエネルギーを得、自己を高めようとします。これを理解して、彼らが活躍できる環境を提供することが重要となります。

5. 競争性を持つ人への対人関係上のアドバイス

競争性を持つあなたは、自らの能力や実績を他人と比較し、勝つことでエネルギーを感じる人です。しかし、それが度を超すと周囲を不快にさせることも。以下、対人関係を円滑にするためのアドバイスです。

自分の競争心を認識しましょう。認識することで、自身の行動や言動を適度にコントロール可能になります。
勝利を共有しましょう。勝ち負けだけでなく、達成感を周りと共有することで、競争心をポジティブなエネルギーに変えることができます。
敗北を恐れずに挑戦しましょう。たとえ失敗しても、それが新たな学びや成長につながることを理解しましょう。
他人の成功を尊重しましょう。他人が成功した時、彼らの努力や才能を尊重することで、自身の競争心が健全な形で維持されます。

これらのアドバイスを参考に、競争性を持つあなたがより良い人間関係を築くことをお勧めします。

6. テストを用いて自身の競争性を確認する方法

自身の競争性を確認するには、ストレングスファインダーのテストを利用するのが最も有効です。ストレングスファインダーは、自分の強み（ストレングス）を見つけるための心理テストで、オンラインで受けることが可能です。このテストは、質疑応答形式で行われ、個々の反応に基づいて34の資質（テーマ）から最上位5つを特定します。

以下がテスト受験の手順となります。