モヤモヤを話して整理しませんか?30分無料相談受け付け中!

【実践編】クリティカルシンキング能力を高める!具体的な例題とその解説

目次

1.はじめに:クリティカルシンキングの必要性

現代社会は、情報があふれる一方で、その情報を的確に解析し、理解し、活用する能力が求められています。そんな中で注目されているのが「クリティカルシンキング」のスキルです。

ビジネスの現場では、課題解決や意思決定を行う際、クリティカルシンキングが必要とされます。複雑な問題を把握し、それを解決するための最善のアプローチを見つけ出す能力は、今や必須とされています。このスキルは、ビジネスだけでなく日常生活においても有効で、様々な状況での意思決定をより良いものにできます。

また、学生時代には、論文やレポート作成、ディベートなどの学習活動においてもクリティカルシンキングが求められます。自分自身の意見や主張を明確にし、他者の意見を理解し、評価することで、より深く学ぶことができます。

これらを踏まえると、クリティカルシンキングは、我々の生活や働き方に深く関わる重要なスキルであるといえるでしょう。

2.クリティカルシンキングの定義とその特徴

(1)クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングは、情報を批判的に分析し、事実を明確に把握するための思考法です。単に事実を受け入れるのではなく、「なぜそうなのか?」と問い続け、自分で情報を吟味し、論理的な判断を下す能力が求められます。具体的なステップは以下のようになります。

  1. 問題の明確化:何が問題で、何が目標なのかをはっきりさせる。
  2. 情報の収集:必要な情報を収集し、その信憑性を確認する。
  3. 情報の分析:情報を個々に分解し、その関連性や影響を分析する。
  4. 結論の導出:分析した情報から論理的な結論を導き出す。

これらのプロセスを経ることで、自分自身の意見や判断を明確に表現し、他人と効果的にコミュニケーションを取ることが可能になります。

(2)ロジカルシンキングとの違い

クリティカルシンキングとロジカルシンキング、これらは似て非なる概念です。いずれも問題解決や意思決定に役立つ思考法ですが、適応する状況や目的が異なります。

まず、ロジカルシンキングは「論理的な思考」を指し、事象の原因や結果を明確にするために用いられます。一方、クリティカルシンキングは「批判的な思考」を意味し、既存の情報や意見を独自に分析・評価することで、より深い理解や新たな視点を得るための思考法です。

ここでは、それぞれの特性を簡潔にまとめたテーブルをご紹介します。

ロジカルシンキングクリティカルシンキング
定義論理的な思考批判的な思考
目的原因・結果を明確化情報・意見の分析・評価
利点明確な答えが出る多角的な視点が得られる

どちらも重要な思考法であり、状況に応じて使い分けることが大切です。

(3)クリティカルシンキングの特徴とメリット

クリティカルシンキングは、情報を批判的に評価し、論理的な結論を導き出す思考方法です。特徴としては、主に以下の3点が挙げられます。

  1. 「多角的視野」: クリティカルシンキングでは、一つの視点だけでなく、多角的に考えることを重視します。これにより、より客観的な判断が可能となります。
  2. 「深い理解」: 表面的な情報だけでなく、背後にある原因や背景を理解することで、事象の本質を把握します。
  3. 「構造化された思考」: 複雑な問題を整理し、順序立てて考えることで、明確な結論を導き出します。

以上の特徴からメリットとして、問題解決スキルの向上、高品質な意思決定、そして場面に応じた柔軟な思考が可能となります。これらはビジネスシーンだけでなく、日常生活でも大いに役立つ能力です。

3.クリティカルシンキングを鍛えるための基本的な考え方とステップ

(1)目的と論点を常に意識する

クリティカルシンキングを行う際の最初のステップは、”目的”と”論点”を常に意識することです。何を解決したいのか、どの問題に焦点を当てるべきか明確にしましょう。

例えば、あなたがチームリーダーである場合、目的は「プロジェクトを成功させる」ことかもしれません。そのためには、論点として「リソースの最適な配分」や「スケジュール管理」、「コミュニケーションの確保」などが挙げられます。

表1. 目的と論点の例

目的論点
プロジェクトを成功させるリソースの最適な配分
スケジュール管理
コミュニケーションの確保

これらを意識することで、具体的な問題解決に向けた思考が行えます。また、論点は一つに限らず、複数存在することもありますので、それぞれに対する解決策を考えていくことが重要です。

(2)思考のクセや偏りをふまえて考える

クリティカルシンキングを行う上では、自分自身の思考のクセや偏りを理解することが大切です。

例えば、人は無意識のうちに「確証バイアス」に陥りがちなのです。これは、自分の考えや信念を支持する情報だけを集め、反対の意見や事実を無視してしまう思考の偏りです。また、「利用可能性ヒューリスティック」もよくある思考のクセ。これは、すぐに思いつく情報か、印象に残った情報に基づいて判断を下すことを指します。

表1. 代表的な思考の偏り

思考の偏り説明
確証バイアス自分の考えを支持する情報だけを集め、反対の意見や事実を無視する傾向
利用可能性ヒューリスティック最初に思いつく情報や印象に残った情報に基づいて判断を下す傾向

これらをふまえることで、偏った視点ではなくバランスの取れた視点から考えることが可能になります。

(3)事実と意見を分ける

クリティカルシンキングの適応では、事実と意見を明確に区別することが重要です。それはなぜでしょうか。それは、事実は客観的な情報であり、確認や証明が可能なものです。一方、意見は主観的な見解や感情を反映したもので、必ずしも全員が同意するわけではありません。

具体的な例を挙げてみましょう。

事実意見
例文1「昨日、雨が降った」「昨日の雨は憂鬱だった」
例文2「彼の成績はクラス1位だ」「彼は優秀だ」

例文1の「昨日、雨が降った」は確認が可能な事実です。しかし、「昨日の雨は憂鬱だった」は主観的な意見です。また、例文2の「彼の成績はクラス1位だ」は事実ですが、「彼は優秀だ」は意見です。

このように事実と意見を区別することで、より客観的で深い議論を展開することが可能となります。

(4)問い続ける:具体的な方法

問い続けることは、クリティカルシンキングを鍛える一つの方法です。それは具体的にどのようなものでしょうか?

まず、問題や課題が提示されたとき、すぐに答えを出すのではなく、深く考えるための「問い」を自分自身に投げかけます。「なぜこの問題が起きたのか」「この課題を解決するためには何が必要なのか」など、自分の思考を深化させる問いを立てます。

また、一つの問いだけではなく、複数の視点から問いを立てることも大切です。そのためには、「5W1H」(Who, What, When, Where, Why, How)を使うと良いでしょう。

以下に具体的な表を示します。

Who課題に関与する人物は誰か
What具体的に何が問題であるのか
When問題が起きた時期または期間はいつか
Where問題が発生した場所はどこか
Whyその問題が起こった原因は何か
Howその問題を解決するための具体的な方法、手段、計画は何か

このように問い続けることで、より深く考える力を鍛えることができます。

(5)クリティカルシンキングの4つのステップ(ゴールの明確化、現状分析、課題抽出、解決策の考案)

クリティカルシンキングを効果的に進めるためには、以下の4つのステップが重要です。

  1. ゴールの明確化:まず最初に、解決したい問題や達成したい目標を明確にする必要があります。これは全体の指針となり、それ以降の議論や考察の方向性を定めます。
  2. 現状分析:ゴールを設定したら、現状を正確に把握します。具体的なデータや情報を集め、事実に基づいた分析を行います。
  3. 課題抽出:現状とゴールのギャップから主要な課題を見つけ出します。それぞれの課題が、どれだけゴール達成に影響を与えるか評価します。
  4. 解決策の考案:最後に、抽出した課題に対して最良の解決策を考え出します。その際、創造性を発揮しつつも、実行可能性や効果の根拠に注意を払うことが求められます。

これら4つのステップを踏むことで、より深く、より効率的な思考が可能になり、クリティカルシンキングの質を向上させることができます。

4.【実践編】具体的なクリティカルシンキングの例題とその解説

例題1:ビジネスシーンでの問題解決

例えば、ある企業の売上が低下しているという問題があったとします。クリティカルシンキングを用いた解決策の策定プロセスを見ていきましょう。

  1. ゴールの明確化:「売上を前年度比10%増にする」
  2. 現状分析:「現在の売上低下の原因は何か」を検証します。競合他社の価格競争、自社商品の旧式化、マーケティング活動の不足など、目の前の事実を冷静に分析します。
  3. 課題抽出:「新型商品の開発が遅れている」「広告宣伝費用が不足」など、現状と目標との間にある課題を明らかにします。
  4. 解決策の考案:各課題に対して、「新商品開発スピードを上げるための体制改善」「広告宣伝費用の効果的な使い方」など、具体的な解決策を考えます。

以上のように、問題を一つひとつ分解し、現状と目標とのギャップを埋めるための解決策を導き出すのがクリティカルシンキングの一例です。

例題2:日常生活での意思決定

クリティカルシンキングは、ビジネスだけでなく日常生活でも有効です。例えば、新型スマートフォンの購入を考える場面を想定してみましょう。

  1. ゴールの明確化: 新型スマートフォンに必要な機能や価格帯をリストアップします。
  2. 現状分析: 現在使っているスマートフォンの機能と新型スマートフォンの機能を比較します。
  3. 課題抽出: 新型スマートフォンの高価さや、現在使っているスマートフォンとの機能差などを明らかにします。
  4. 解決策の考案: 新型スマートフォンを購入するための予算を立てたり、不必要な機能を削減したりします。

このように、クリティカルシンキングを日常生活に応用することで、より理性的で効果的な意思決定が可能となります。

例題3:学生時代に遭遇する可能性のある課題

例題3では、学生時代に遭遇する可能性のある課題「グループでのプロジェクト遂行」を取り上げます。現代の教育現場では、チームワークを鍛えるためのグループ活動が増えています。

具体的な課題:「グループでのレポート作成において、メンバー間の意見が合わず進行が滞ってしまう」という状況を想定します。

以下に、この課題を解決するためのクリティカルシンキングの適用例を示します。

【クリティカルシンキング適用例】

  1. 目的と論点の明確化:全員が目指すべきレポートの質と、それを阻む問題点(意見の不一致)を共有する。
  2. 現状理解:メンバーそれぞれの意見を理解し、それに基づく理由や根拠を明らかにする。
  3. 問題抽出:意見の不一致が生じる原因を特定する。
  4. 解決策提案:原因を基に、意見を統合したり議論を深めたりするための具体的な方法を提案する。

このように、問題解決に対するアプローチを具体的に示すことで、クリティカルシンキングの理解を深めることができます。

5.クリティカルシンキングを高めるための思考法

(1)仮説思考

クリティカルシンキングを高めるための一つの手法として、仮説思考があります。これは、現状や問題を前提として、可能な解決策や結果を予測するという思考法です。

まず、明確な問題を設定し、その原因や背景を理解します。そして、その上で、何が問題解決につながるかを予測します。

例えば、売上が下がっているという問題があった場合、以下のような仮説を立てます。

・新製品の売り出しにより、既存製品の売上が下がっている ・競合他社の価格競争に敗れている

これらの仮説を立てたら、それぞれの真偽を検証します。データの分析や市場調査などを通じて仮説を検証し、最適な解決策を導き出します。これが仮説思考の基本的な流れです。

(2)論点思考(イシュー思考)

論点思考、またはイシュー思考とは、問題や状況に対して必要な視点やキーポイントを見つけ出す思考のことを指します。この思考法は、情報を効率的に整理し、問題解決に必要な要素を抽出するために重要です。

例えば、ある企業が営業成績が伸び悩んでいるという課題があったとします。その際、論点思考を用いると次のように考えることができます。

  1. 営業成績の伸び悩みの原因は何か?
  2. 競合他社と比較してどのような差があるのか?
  3. 顧客ニーズは満たされているのか?

これらの論点を明確にすることで、問題解決に必要な要素を整理し、具体的な改善策を考える土台を作ることができます。

(3)アナロジー思考

アナロジー思考とは、一見関連性のない事柄を比較し、類似性を見つけることで新たな視点やアイデアを生み出す思考法です。具体的な事例を挙げて理解を深めましょう。

例えば、ある会社が新商品の販売戦略を考える際に、成功した他業種の販売戦略を参考にすることが考えられます。この場合、自社の商品と他業種の商品は異なりますが、「成功した販売戦略」に共通性を見出すことで、新たな視点が得られる可能性があります。

アナロジー思考は、新たな視点やアイデアを生み出すための重要なツールとなります。それぞれの事象の特性を理解し、関連性や類似性を見つけることが求められます。

(4)コンセプチュアル思考

コンセプチュアル思考は、事象や情報を「概念」や「観念」に置き換えて考える思考法です。特定の情報を超えた一般的な法則や原理を発見することによって、新たな視点や解決策を見つけ出す力を養います。

たとえば、「売上が減少した」という具体的な事象を「市場環境の変化」という概念に置き換えて考えると、単に売上が減少した理由を探るだけでなく、市場環境の変化への対応策を考えることが可能になります。

また、このコンセプチュアル思考は、問題を抽象的に捉える力を強化し、限定的な視野から広範な視点に展開する能力を伸ばすため、クリティカルシンキング能力を高めるためには欠かせない思考法です。

(5)PAC思考

「PAC思考」は、問題解決を円滑に行うための有効な手法の一つです。これは、「Parent(親)」、「Adult(大人)」、「Child(子ども)」の3つの視点で物事を捉え、バランス良く思考することを指します。

具体的には、「Parent」視点では、経験や知識に基づく指導的な角度からの視点をもちます。「Adult」視点では、論理的で客観的な判断を行います。「Child」視点では、直感や感情に基づく自由な発想を行います。

視点特性
Parent指導的「経験上、これが正しい」
Adult客観的「データから判断すると」
Child自由な発想「感じたこと、直感は」

これら3つの視点を駆使し、バランスを取りながら思考することがPAC思考の特徴です。一面的な思考に陥らず、幅広い視点から問題を捉えることで、より良い解決策を見つけ出すことが可能となります。

(6)メタ思考

「メタ思考」とは、「自分の考え方そのものについて考える」ことを指します。つまり、思考のプロセスや手法、前提条件などを洞察し、評価する思考スキルのことを意味します。

このメタ思考を活用すると、自分の考えが偏っていないか、思考のフレームワークが適切であるかを自己チェックすることが可能となります。結果的に、より合理的で論理的な判断を行うためのための土壌が整います。

具体的には、次のような質問を自分自身に投げかけることから始めてみましょう。

  • 自分の結論はどのような前提に基づいているのか?
  • 他に可能性として考えられる見方は何か?
  • 自分が選択した解決策は、本当に目標達成に寄与しているのか?

このような自己問いかけを通じて、メタ思考力を鍛えることが可能です。

6.クリティカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法

(1)日常業務での実践

日常業務の中でもクリティカルシンキングを鍛える機会は数多く存在します。まず、業務を遂行する上で遭遇する問題や課題を明確に把握し、その解決策を考える際にクリティカルシンキングを活用します。

具体的なステップは以下の表の通りです。

ステップ内容
1.ゴールの明確化業務の目的・目標を明確に設定します
2.現状分析問題や課題が何であるかを理解し、解決すべきポイントを見つけます
3.課題抽出分析結果から課題を抽出します
4.解決策の考案抽出した課題を解決するためのアクションプランを立てます

これらのステップを日常の業務に落とし込んで、クリティカルシンキング能力の向上に努めてみてください。

(2)会議や打合せでの活用

会議や打合せは、クリティカルシンキングを鍛える最適な場です。多様な意見が飛び交う中で、以下のような具体的な行動を取ることで能力を高めることができます。

1.「議題に対する自分の立場や視点を明確にする」 議事の始まりで自分の意見や視点を示し、それがどのような事実や前提に基づいているのかを明らかにします。

2.「他人の意見を尊重し、積極的にフィードバックする」 異なる視点に触れることで、考え方の幅が広がり、理解が深まるとともに、自身の思考の偏りに気付く機会となります。

3.「議論を深めるための質問をする」 論点がぼやけてきたときや、新たな視点が必要なときなどに質問を投げかけることで、議論を深めることができます。

これらの行動は、クリティカルシンキングの実践に直結しています。日常的な会議や打合せを通じて、少しずつクリティカルシンキングの能力を高めていきましょう。

(3)研修やeラーニングの活用

クリティカルシンキング力を鍛えるためには、定期的な研修やeラーニングの活用が効果的です。

まず、研修では、専門家から直接、思考力を鍛えるテクニックや方法を学ぶことができます。対話形式のグループ研修は、他の参加者とのディスカッションを通じて、クリティカルシンキングの技法を自然に身につけることが可能です。

一方、eラーニングは自分のペースで学べる利点があります。また、多様な例題や解説が用意されていて、反復学習により理解を深めることができます。

以下に、具体的な研修とeラーニングの活用例を表形式で示します。

活用方法メリット
研修専門家から直接学べる、他者とのディスカッションの機会
eラーニング自分のペースで学べる、反復学習が可能

あわせて、「クリティカルシンキング」のキーワードを含めた研修やeラーニングを選ぶことで、より効果的な学習が可能です。

7.まとめ:クリティカルシンキング能力を高めることの重要性

クリティカルシンキング能力は、情報を客観的かつ深く理解し、論理的に考え、効果的な判断を下すための重要なスキルです。現代社会は情報過多であり、その中から必要な情報を見つけ出し、問題解決に繋げる能力が求められています。

具体的には以下のような効果が期待できます。

表1. クリティカルシンキング能力の効果

効果
問題解決能力の向上ビジネスシーンでの課題解決
意思決定能力の向上日常生活での選択肢の選定
学習能力の向上学生時代の学習方法の改善

これらのことから、クリティカルシンキング能力を高めることは、ビジネスから日常生活、学習に至るまで幅広い場面でのパフォーマンス向上に繋がります。日々の生活や仕事における問題解決スキルを高めるためにも、クリティカルシンキングの練習を積極的に行いましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

自己啓発本やビジネス書など、年間100冊以上を読む運営者が古今東西の自己啓発をおまとめ。明日の自分がちょっと楽しみになるメディアを目指しています。

目次