【初心者向け】心理学の基本「機能的固着」とは?具体例でわかりやすく解説

目次

1.はじめに

日々の生活や業務の中で、「機能的固着」という言葉を聞いたことはありますか?この概念は心理学の領域からきており、我々の思考や意思決定に大きな影響を与えています。

「機能的固着」は何か、そしてそれがどのように私たちの日常生活や作業に影響を与えるのか理解することは、より効率的で創造的な思考を促進するために重要です。

この記事では、「機能的固着」の定義と心理学における位置付け、具体的な例を通じた理解、影響とその対策、さらには「機能的固着」を活用する状況について解説しています。

専門家だけでなく、一般の読者にもわかりやすく「機能的固着」を理解するためのガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。

2.「機能的固着」の基本解説

(1)「機能的固着」の定義

「機能的固着」とは、心理学の概念の一つで、既存の概念や解決策を持つことで、新たな解法や視点を見つけることが困難になる現象を指します。これは、「固着」が起きると、我々は既知の情報や経験を過度に適用してしまい、創造的な視点や新しいアイデアを見逃す可能性があります。

具体的には以下のような状況が該当します:

状況解説
既知のアイデアへの過度な依存一度得た知識や経験を過度に頼り、新たな視点を見落とす
柔軟性の欠如状況に応じて考え方を変えることができない

このように、私たちは知らないところで「機能的固着」に陥っていることがあります。この現象を理解し、対策を講ずることでより効率的な問題解決が可能となります。

(2)心理学における位置づけ

「機能的固着」は心理学、特に認知心理学の領域において重要な概念として位置づけられています。認知心理学とは、人間の知覚、記憶、思考、言語などの認知プロセスを科学的に研究する分野です。下記表に、「機能的固着」がどのような研究領域と関連しているかをまとめました。

【表1】「機能的固着」の心理学における位置づけ

心理学の領域関連性
認知心理学人間の認知バイアスの一つとして研究
教育心理学学習障害の原因としての観点から研究
産業・組織心理学創造性や問題解決力への影響を研究

以上から、「機能的固着」は様々な心理学の領域、特に意思決定や問題解決に関わる研究で重要な役割を果たしていることがわかります。

3.具体例を通じた「機能的固着」の理解

(1)ロウソク問題

一つの具体例として、よく知られているのが「ロウソク問題」です。「ロウソク問題」は、機能的固着を示す心理学の実験であり、ロウソク、マッチ箱、釘が登場します。

具体的には、ロウソクをマッチ箱に固定し、壁に釘で取り付けるという課題が出されます。ここで多くの人が困るのが、マッチ箱をただの容器としてしか見えない「機能的固着」です。

しかし、正解はマッチ箱を容器としてではなく、棚として使うこと。マッチ箱を壁に釘で固定し、その上にロウソクを置くという方法で課題は解決します。

この問題により、「機能的固着」が我々の思考にどれほど影響を与えるかを体感することができます。

(2)Dunckerの箱問題

Dunckerの箱問題とは、「機能的固着」を体現する有名な実験です。具体的には、タック(押しピン)が入った箱とマッチ、及びろうそくが与えられ、これらを使って壁にろうそくを立てて照明とする課題が出されます。

多くの人々は箱を収納用としてしか認識せず、タックを直接壁に刺してろうそくを固定しようとしますが、この方法は失敗します。正解は、空の箱をタックで壁に固定し、その上にろうそくを立てることです。

ここでの「機能的固着」は、箱を単なる収納用として認識し、壁に固定する台座としての機能を思いつかないことにあります。この例から、「機能的固着」がいかに私たちの思考に影響を及ぼすかを理解できます。

(3)Meyerの2本のヒモ問題

「Meyerの2本のヒモ問題」は、「機能的固着」を体感できる課題の一つです。具体的には、天井から垂れ下がった2本のヒモを同時に手に持つという解を見つける問題です。

状況設定は以下の通りです。

部屋の天井2本のヒモが垂れ下がっている
ヒモ間の距離手を伸ばしても両方同時には届かない
使用可能な道具壁に掛けられた棒

多くの人が棒をヒモの延長として考えてしまいます。これが「機能的固着」です。しかし、棒を振り子として使う発想転換で、ヒモを揺らすことで他のヒモに手を伸ばす時間を作りだすという解法を見つけられます。「機能的固着」を克服すると、見える解法の範囲が広がることがこの問題から学べます。

4.「機能的固着」の影響とその対策

(1)意思決定やイノベーションへの影響

「機能的固着」は、私たちの日常的な意思決定やイノベーションに大きな影響を及ぼすことがあります。新しい解決策を見つけるためには、従来の方法から離れて、さまざまな視点で問題を考える必要があります。しかし、「機能的固着」により、私たちは一つの視点に固執し、他の可能性を見過ごすことがあります。

例えば、以下のような影響が考えられます。

・新製品の開発における過去の成功体験に固執することで、新たな視点やアイデアの探索が阻害される

・問題解決の際、一つの方法しか考えられず、多角的な視点でのアプローチができない

これらは、事業の進展や成果を大きく左右する可能性があるため、機能的固着の理解とその克服方法は重要です。

(2)「機能的固着」を克服する方法

「機能的固着」を克服するには、以下の3つの方法が有効です。

  1. 「視点を変える」:問題を様々な角度から見て評価し直すことで、固定的な思考パターンを打破します。
  2. 「ブレインストーミング」:チームでアイデアを出し合うことで、自分だけでは気づかない新たな視点を得られます。
  3. 「アナログとデジタルの効果的な組み合わせ」:具体的な物体(アナログ)を使って問題を模型化し、それをデジタル化することで、新たな解決策が見える場合があります。

これらの方法は、個々の状況や問題によって効果が異なりますので、柔軟に取り入れてみてください。

5.「機能的固着」を活用する状況

(1)認知バイアスとしての利用

認知バイアスとは、私たちが情報を過剰に一方的に解釈したり、偏った見方をしてしまう心の働きのことです。「機能的固着」もまた一種の認知バイアスであり、私たちの思考や判断に影響を与えます。

例えば、ある物事を特定の方法でしか解決できないと固定観念を持つと、「機能的固着」が発生します。この状態では新たな視点や解決策を見つけ出すことが難しくなります。

しかし、この「機能的固着」を意識的に利用することで、自身の思考回路や検討中のプロジェクトについて深く理解することが可能になります。特定の視点から物事を見ることで、それが適切な解決策なのかどうかを再評価するきっかけにもなります。

以下の表は、「機能的固着」が発生した場合と利用した場合の違いを示しています。

状態影響
発生特定の方法でしか問題を解決できない
利用特定の視点から問題を再評価することで新たな解決策を見つけ出す

したがって、「機能的固着」は認知バイアスとしての一面を持ちつつも、その発生を意識し管理することで、新たな視点や解決策を見つけ出す有用なツールとして活用できます。

(2)プロジェクト管理やリーダーシップにおける利用

プロジェクト管理やリーダーシップにおける「機能的固着」の利用は、チームの視点や思考パターンの多様性を確保するために重要となります。

まず、リーダー自身が「機能的固着」から解放されていることが求められます。これは、新たなアイデアや視点を受け入れ、チーム全体の創造性を引き出すために不可欠です。未来志向の思考やフレキシブルな意思決定を促し、固定観念を打破することでイノベーションを生み出す力となります。

次に、プロジェクト管理においても「機能的固着」は考慮すべき項目となります。既存の枠組みに固執することなく、新しいアプローチや解決策を模索することでプロジェクトの品質や効率性を向上させることが可能となります。

以下に、具体的な活用例を表形式で示します。

利用シーン活用方法
チーム会議メンバーの多様な視点を収集・尊重
プロジェクト計画新たな方法論や技術の導入
コンフリクト管理柔軟な対応策の立案・実施

「機能的固着」の理解と適切な管理は、より効果的なリーダーシップとプロジェクト遂行に繋がります。

6.まとめ

本記事では、「機能的固着」について、その定義から具体例、影響と対策、そして活用方法まで詳しく解説しました。心理学の基本概念である「機能的固着」は、我々の思考や意思決定に大きな影響を与える一方で、認知バイアスとして利用したり、プロジェクト管理やリーダーシップに活かしたりすることも可能です。

この知識を身につけることで、より柔軟な思考が可能になります。これからも「機能的固着」を意識し、日々の生活や仕事に活かしていきましょう。

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この記事を書いた人

自己啓発本やビジネス書など、年間100冊以上を読む運営者が古今東西の自己啓発をおまとめ。明日の自分がちょっと楽しみになるメディアを目指しています。

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