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「デフォルト効果」徹底解説!その定義と、消費者行動への影響力

目次

1.デフォルト効果とは?: 基本的な定義と概念

(1)デフォルト効果の説明

デフォルト効果とは、消費者が選択肢を提示された際に、設定されているデフォルトの選択肢(初期設定)を変更せずにそのまま選択する傾向を指します。これは消費者の意思決定に大きな影響を与え、イライザーとシュルツの研究(2003年)で具体的に示されました。

下記の表は、選択肢がデフォルトに設定された場合とそうでない場合の選択率を示しています。

選択肢デフォルト設定時の選択率デフォルト非設定時の選択率
選択肢A80%50%
選択肢B20%50%

この表からもわかるように、デフォルト設定が選択行動に大きく影響を与えることが確認できます。

(2)デフォルト効果の実証実験例

一つの具体的なデフォルト効果の実証実験例として、オーガンドナーの登録状況があります。

デンマークとスウェーデンを比較してみましょう。これらの国は文化的に似ていますが、オーガンドナーの登録制度が異なります。デンマークでは、市民が自ら登録する「オプトイン」方式を採用しています。一方、スウェーデンでは、全市民がデフォルト(初めから)でオーガンドナーとなり、希望しない場合のみ登録を外す「オプトアウト」方式を採用しています。

この結果、スウェーデンのオーガンドナー登録率は80%を超えるのに対し、デンマークでは約20%に留まっています。デフォルトの違いが大きな影響を与えていることが分かります。この実証実験から、デフォルト効果の強力さを理解することができます。

2.デフォルト効果が生じる心理的メカニズム

(1)努力の省略

デフォルト効果が生じる心理的メカニズムの一つとして「努力の省略」が挙げられます。これは、人間が取るべき行動について考えることに精神的なエネルギーを消費するため、無意識にそのエネルギー消費を避けようとする傾向があるという原理です。

例えば、以下の表をご覧ください。

選択肢選択に必要なエネルギー
デフォルト(初期設定)少ない
デフォルト以外多い

デフォルト(初期設定)の選択は、新たな選択をするエネルギーを省略することができ、人々は楽な選択を無意識的に選ぶ傾向があります。このため、デフォルト効果は強力な影響を及ぼすのです。

(2)暗黙の推奨

「デフォルト効果」が生じる心理的メカニズムの一つとして、「暗黙の推奨」があります。これは、デフォルトの選択肢が推奨されていると認識される現象を指します。

例えば、スマートフォンの初期設定で「位置情報の共有」がONになっている場合、これは製造元がこの設定を推奨していると受け取られます。消費者は、製造元が推奨している設定であれば問題ないと考え、自身で設定を変更する手間を避ける傾向にあります。

この暗黙の推奨は、消費者の意思決定に大きな影響を与えます。特に、知識が限定されている場合や、選択肢が複数ある場合には、デフォルトの選択肢に対する信頼感が増し、それが選択される可能性が高まります。

したがって、ビジネスにおけるデフォルトの設定は、消費者に対する暗黙の推奨となり得るのです。これを踏まえた商品やサービスの設定は、消費者行動の理解とマーケティング戦略において極めて重要となります。

(3)損失回避・参照依存性

デフォルト効果が生じる心理的メカニズムの一つに「損失回避」と「参照依存性」があります。

まず、「損失回避」ですが、具体的には、人は何かを失うという可能性があるときに、それを避けようとする心理的な傾向を指します。デフォルトの選択肢から変更するという行動は、なにか失う可能性があると感じられ、結果としてデフォルトの選択肢を選ぶ傾向が生まれます。

次に、「参照依存性」です。これは、人が選択を行う際に、デフォルトの選択肢を基準にして判断を下す傾向を指します。デフォルトの選択肢が提示されると、それが「普通」あるいは「正しい」選択であると認識されやすいです。

これらの心理的メカニズムにより、デフォルト効果は消費者の選択行動に影響を与えます。

3.デフォルト効果が効果的な理由

(1)消費者の意思決定に影響を与える力

デフォルト効果は消費者の意思決定に大きな影響を与えます。人間は無意識的に、選択肢が提示された際に最初や一番簡単に選べるものに引き寄せられる傾向があります。これは、労力を削減したいという我々の心理から来るもので、デフォルトの選択肢はそのニーズを満たします。

例えば、以下の表を見てみてください。

カスタマイズデフォルト
チェックボックス(○)チェックボックス(×)

この場合、デフォルト設定(チェックボックスが×)は消費者にとって最も労力のかからない選択肢となります。そのため、特に強い意思がなければ、多くの人がデフォルトの選択肢を選ぶでしょう。このように、デフォルト効果は消費者の選択行動を巧みに誘導します。

(2)選択肢の提示の仕方による影響

デフォルト効果は、選択肢の提示の仕方に大いに影響されます。

選択肢が多いと、消費者は選択に時間やエネルギーを必要とするため、デフォルトの選択肢になりやすいです。選択肢が少ないと、その中から選ぶことで消費者は自己決定感を得ますが、デフォルトの選択肢が変わるとその影響を大きく受けます。

また、選択肢の提示順序も重要です。初めに提示される選択肢はより強く記憶され、結果として選ばれやすくなります。

選択肢の数選択肢の提示順序
選択肢が多いとデフォルト選択肢の影響大初めに提示された選択肢は選ばれやすい

デフォルト効果を理解し、適切な選択肢の提示方法を採用することで、消費者の意思決定をより有利に導くことが可能です。

4.ビジネスシーンでのデフォルト効果の活用例

(1)スマートフォンの初期設定

スマートフォンの初期設定は、デフォルト効果の一例です。多くのスマートフォンは、初めて使用する際に特定のアプリや設定が既に選択された状態で提供されます。これらの設定は、ユーザーが自分で変更しない限りそのまま維持され、大半のユーザーはその初期設定を変更しません。

例えば、以下の表に示すように、スマートフォンの検索エンジンや地図アプリは、初期状態では特定のサービスがデフォルトとして設定されています。

アイテム初期設定
検索エンジンGoogle
地図アプリApple Maps

このように、デフォルト効果を活用した初期設定は、ユーザーの利便性を高めると共に、特定のサービスへの利用を促進します。

(2)メールマガジンの配信停止

ビジネスシーンでの「デフォルト効果」の活用例として、メールマガジンの配信停止が挙げられます。このケースでは、多くの企業がメールマガジンの配信をデフォルト(初期設定)とし、ユーザーが自分で配信停止する選択をするシステムを採用しています。

そこでデフォルト効果が作用します。ここで重要なポイントは、人間の行動が「努力の省略」や「損失回避・参照依存性」などの心理的メカニズムにより、デフォルトの選択肢に引き寄せられやすいという事実です。

つまり、メールマガジンの配信停止を選択するためには、ユーザーは自身でアクションを起こし、選択を変更しなければならないため、努力が必要となります。これにより、ユーザーはデフォルト設定のままにする(つまりメールマガジンの配信を受け続ける)ことが多くなります。

(3)商品やサービスのオプション設定

商品やサービスのオプション設定でもデフォルト効果は大いに活用されます。

例えば、通信会社のデータ通信プランでは、最初から高額なプランがデフォルトとして設定されていることがあります。これは、利用者が自身の消費パターンに合ったプランを自発的に選ぶ労力を省き、初期設定をそのまま利用しやすい環境を作ることで、高額プランへの加入を促す狙いがあるのです。

また、オンラインショッピングでよく見られる「追加オプション」の設定も同様です。購入時に自動的に追加保証やギフトラッピングが選択されている設定とすることで、消費者はそれを外す手間を省くため、デフォルトの設定をそのまま受け入れやすくなります。

これらは「努力の省略」と「暗黙の推奨」というデフォルト効果が生じるメカニズムをうまく活用しています。

5.デフォルト効果を活用したマーケティング戦略

(1)消費者行動への影響力を利用した戦略

デフォルト効果を利用したマーケティング戦略は、消費者の選択行動に大きな影響力を持ちます。まず、一般的に消費者は選択をする際に労力を省きたいという傾向があります。そのため、あらかじめ選択肢が提示されている、いわゆる「デフォルト」の選択肢を選ぶことが多いのです。

例えば、オンラインショッピングサイトであれば、配送方法や決済方法の初期設定を消費者がもっとも利用しやすい選択肢に設定することで、消費者の利便性を高め、購入確率を上げることが可能です。

また、デフォルト効果は、新商品の販売戦略や価格設定にも活用されます。新商品を推奨アイテムとしてデフォルト選択肢に設定したり、価格を高めのデフォルト設定にすることで、消費者の購入行動に影響を及ぼすことができます。

これらの戦略は、デフォルト効果が消費者の選択行動に及ぼす影響力を最大限に活用したものであり、マーケティングにおける強力な武器となるのです。

(2)デフォルト効果を活用した成功例

デフォルト効果をうまく活用した成功例として、オンラインショッピングサイトのカートに商品を追加した際の「おまけ商品」や「関連商品」の推奨があります。この場合、一度カートに入れた商品と一緒に表示されるおまけ商品や関連商品は、消費者が積極的に追加しない限り、購入されることはありません。しかし、これらの商品がデフォルトで選択されている(チェックが入っている)場合、消費者は追加の労力を使ってチェックを外さなければならないため、多くの場合そのまま購入に至ります。このように、デフォルト効果は消費者の購入行動に大きな影響を与え、売上向上に寄与する一例といえます。

6.まとめ:デフォルト効果の理解と活用

(1)デフォルト効果の重要性

デフォルト効果は、消費者の選択行動を大きく左右する力を持つため、マーケティングにおいて非常に重要な要素として認識されています。

具体的には、以下の2点が挙げられます。

  1. 意思決定の簡略化:消費者は情報の海から最適な選択をすることが求められる時代において、デフォルトの選択肢があることで意思決定を一旦停止し、考える時間やエネルギーを節約できます。
  2. ブランドロイヤリティの向上:デフォルト選択肢を通じてブランドとの関わりを深めることで、消費者のブランドロイヤリティが向上します。

これらの特性を理解し、適切に活用することで、消費者の行動を予測し、事業成果を向上させる可能性があります。

(2)ビジネスにおける活用方法の再確認

本稿で学んだ「デフォルト効果」の活用方法を、再度確認しましょう。

まず、製品やサービスの初期設定にデフォルト効果を活かすことが可能です。これは、消費者がそのままの設定を利用する傾向があるためで、スマートフォンの初期設定やアプリのプリインストールが具体例として挙げられます。

次に、メールマガジンなどの情報配信でもデフォルト効果を利用できます。購読のデフォルト設定を「受け取る」にし、解除を手間ひまかけて行う設定にすることで、配信を継続しやすくなります。

また、商品やサービスのオプション設定でも同様です。デフォルトでオプションが選択されている状態にすることで、消費者がそのまま購入する可能性が高まります。

これらの方法を活用し、「デフォルト効果」を最大限に引き出すことで、消費者の行動を有利に導くことが可能です。再検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

自己啓発本やビジネス書など、年間100冊以上を読む運営者が古今東西の自己啓発をおまとめ。明日の自分がちょっと楽しみになるメディアを目指しています。

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