ISTPの性格は悪いと言われがち。でもその本当の理由とは？

February 4, 2024February 10, 2024

1. ISTP型の性格とは何か？

(1) ISTP型の特徴

ISTP型の性格を理解するためには、その特性を押さえることが大切です。ISTP型の人々は「現実的で、分析的で、効率主義者」という特徴があります。

彼らは物事に対して直感的な理解を持ち、その場その場の状況に最適な解決策を即座に見つける能力を持っています。また、具体的で詳細な観察力も彼らの強みの一つです。

以下の表にISTP型の主要な特性をまとめました。

【表1: ISTP型の特性】

特性	説明
現実的	具体的な事実や経験に基づく情報を重視する
分析的	複雑な問題を解決するために、物事を細部まで分析する
効率主義者	無駄のない最短ルートを追求する

これらの特性から、ISTP型は一見すると無口で無愛想な印象を与えるかもしれません。しかし、それらは彼らが自分の世界に集中し、最良の結果を求めるための表れであり、「悪い」と評価するのは早計です。

(2) ISTP型の強みと弱み

ISTP型の性格は、その独自の視点や実用的な思考、冷静さなど、多くの強みを持っています。以下に主な強みを挙げます。

【1：ISTP型の強み】

客観的な視点：彼らは自分の意見を客観的に見ることができます。
冷静さ：緊急時でも冷静さを保ち、適切な行動を取ることができます。
実用的な思考：現実的で、実用的な解決策を見つけるのが得意です。

しかし、一方でISTP型は他人の感情に鈍感であったり、無口なためにコミュニケーションに難があるなど、いくつかの弱点も存在します。

【2：ISTP型の弱み】

他人の感情に鈍感：他人の感情を理解するのが苦手な場合があります。
無口：自身の思考や感情をあまり語らないため、他人から距離を感じられがちです。

これらの強みと弱みを理解することは、ISTP型と円滑にコミュニケーションをとるために重要です。

2.なぜISTPの性格は「悪い」ものとして捉えられがちなのか

(1) 無口さと感情表現の少なさ

ISTP型の人たちは、内向的でありながら解決志向的な思考を持つことから、無口で感情表現が少ない傾向があります。こうした特性は、一見するとコミュニケーションに消極的で無関心な印象を与えます。

以下の表は、ISTP型の人が一般的に示すコミュニケーションスタイルを示しています。

コミュニケーションスタイル	傾向
話す内容	客観的な事実や具体的なアクション
ペース	自分のペースで、行き当たりばったり
反応	慎重で、時間をかけて

これらは、ISTP型の人が周囲とのコミュニケーションで「無口で感情表現が少ない」と捉えられる一因となります。しかし、この特性は「無関心」や「無感情」を意味するものではなく、自身の思考や感情を内側で深く掘り下げている表れでもあります。

(2) 他人の感情に鈍感

ISTP型の性格は他人の感情に対して鈍感であると言われがちです。これは、彼らが客観的な事実や現実に立脚し、必要な情報を直感的に把握する傾向にあるためです。

ISTP型の人々は、「今、何が起こっているのか」を理解し、必要な行動を取ることに長けています。しかし、この強みが逆手に取られ、感情的な対話や他人の心情を読み解くことが難しいと感じる場合もあります。

また、ISTP型の人々は自己主張が強く、自分の意見をはっきりと述べるため、他人の感情を傷つけてしまうこともあります。このようなことから、「感情に鈍感」という印象を持たれることが多いのです。

理解しやすいように、以下にISTP型の性格特性を表形式でまとめます。

ISTP型の性格特性	具体例
客観的な事実に立脚	「今、何が起こっているか」を理解する
直感的に情報を把握	必要な行動をすぐにとる
自己主張が強い	自分の意見をはっきりと伝える

これらを理解することで、ISTP型の「他人の感情に鈍感」という特性をより深く理解することができます。

(3) 批判的な姿勢

ISTP型の性格は、客観的で分析的な思考が特徴的であるため、批判的な姿勢をとることがあります。これが外から見ると「性格が悪い」と感じる原因の一つになることがあります。

以下にその具体的な例を示します。

シチュエーション	ISTP型の反応	他人から見た印象
チームでの計画立案	具体的な問題点を指摘	ネガティブ思考
新しいアイデアの提案	実現可能性を疑問視	消極的

しかし、これはISTP型が事実を重視し、問題を早期に発見し解決しようとする姿勢の表れであり、彼ら自身はこれを「否定的」な行動だとは思っていません。

つまり、ISTP型の「批判的な姿勢」は、他人の意見や提案を否定しようとするものではなく、より良い結果を出すためのアプローチなのです。

3. ISTP型の性格特性が誤解を生む例

(1) 社交性の低さからくるネガティブな印象

ISTP型の人々は、自己の内面世界に深く没入する傾向があります。これは、彼らが自分の感情や思考に集中するため、他人との社会的な交流をあまり好まない性格であることを意味します。

表：ISTPの社交性に対する誤解

誤解される行動	実際の意味
あまり話さない	自分の考えを理解し、整理する時間をとる
人と関わるのを避ける	内省と独立性を重視する

このように、ISTP型の社交性の低さは、彼らが人間関係を軽視しているわけではなく、自己理解と独立性を重視しているだけなのです。しかし、これらの行動は外部から見ると「社交性が低い」と解釈され、時として悪い印象を与えてしまうこともあります。

(2) 冷静さが冷たさと誤解される

ISTP型の人々は、冷静さを保つ傾向があります。何が起ころうともパニックにならず、情緒的になることなく事態を理解し、対処することが出来ます。

しかし、この冷静さは時として「冷たさ」と誤解されることがあります。感情的な表現が少ないため、ISTP型の人が人々に対して無関心であるか、あるいは無感動であるかのように見られることがあるからです。

次に示す表では、この誤解が生じる具体的な状況を示しています。

状況	誤解
落ち込む友人に対して冷静にアドバイスをする	冷たい感じがする
緊急事態でも平静を保ち行動する	感情がないように見える

このように、ISTP型の冷静さは誤解を招きやすい特性です。しかし、これは彼らが感情を持っていないわけではなく、単に冷静に対処する力があるだけです。

(3) 初対面では硬く見えがち

ISTP型の人は、初対面では硬く見えることがあります。

ISTP型の人々は、冷静さや合理性を重視するため、新しい人々との出会いでは自己開示が比較的少なく、一見すると無表情にも見えます。このような態度は、ISTP型が受け身であるか、または無関心であるかのように誤解されがちです。

しかし、これはISTP型の人々が自己保身や他人との接触を避けるためではなく、自分の考えや感情を探求し、理解するための時間を必要としているからです。

以下の表は、ISTP型の初対面での行動とそれに対する一般的な誤解を示しています。

ISTP型の行動	一般的な誤解
無口で観察的	無関心または無感情
相手の話を静かに聞く	受け身または退屈している
自己開示が少ない	秘密主義者または冷たい

初対面の印象は偏見を生んでしまいますが、そこにはISTP型の本質的な価値や能力が反映されていません。彼らの本質を理解するためには、もっと深い対話と時間が必要です。

4. ISTP型の性格特性を理解し、円滑なコミュニケーションを図る方法

(1) ISTP型の価値観とコミュニケーションスタイルの理解

ISTP型の人々は、しっかりとした価値観を持っており、事実に基づいた結論を重視します。彼らは状況を客観的に見ることで知られ、冷静さを保つことができます。これは彼らが具体的で分析的な思考を好むためです。

また、コミュニケーションスタイルについては、ISTP型は直接的であり、無駄な話を省き、要点をつく傾向があります。情緒的な表現は苦手で、具体的な事実や情報に基づいた話を好みます。

下表にISTP型の価値観とコミュニケーションスタイルを示します。

価値観	コミュニケーションスタイル
事実に基づいた結論	直接的で要点をつく
客観的な視点	無駄な話を省く

これらの理解は、ISTP型との円滑なコミュニケーションに役立ちます。

(2) ISTP型にとって心地よい話し方とは？

ISTP型は事実に基づいた論理的な会話を好みます。感情や想像に基づく抽象的な話題よりも、具体的で現実的な話題が好まれます。

表1. ISTP型が好む会話スタイル

抽象的な話題	具体的な話題
×	○

また、ISTP型は余計な前置きやくどい説明を嫌います。ストレートで簡潔なコミュニケーションが心地よいと感じます。

表2. ISTP型が好むコミュニケーションスタイル

無駄な前置き	ストレートな話し方
×	○

また、ISTP型は自分の意見を尊重してくれる人との対話を好みます。自分の考えを否定されたり、一方的に押し付けられることを嫌います。

これらを踏まえ、ISTP型との円滑なコミュニケーションには、具体的かつ簡潔に、尊重の念を持って話すことが大切です。

(3) ISTP型と他の性格型との相性

ISTP型の人は、独立心が強く、具体的な行動を重視する性格です。したがって、理論的な議論を好むINTP型や、共感力が強く感情豊かなENFJ型とは相性が良くない場合が多いです。

以下に、ISTP型と各性格型との相性をまとめた表を示します。

性格型	相性
ISTJ型	◎
ISFJ型	◎
INTP型	△
INFP型	◯
ESTP型	◎
ESFP型	◯
ENTP型	△
ENFP型	△
ISTP型	◯
ISFP型	◎
INTJ型	△
INFJ型	◯
ESTJ型	◯
ESFJ型	△
ENTJ型	△
ENFJ型	△

※◎：非常に良い、◯：良い、△：悪い

理解力と柔軟性を持つISTP型は、自分と性格が異なる人々ともうまくやっていけます。ただし、相手の性格を理解し、対話のスタイルを調整することが大切です。

5. ISTP型の性格特性を活かす方法

(1) ISTP型が活躍する職場環境と職種

ISTP型は順応性が高く、現実的で、具体的な結果を出すことを好みます。そのため、彼らは自身の技術や知識を活かせる職場環境で最高のパフォーマンスを発揮します。

	職場環境	職種
ISTP型が活躍する条件	自由で柔軟性があり、即時の結果が求められる	技術職、エンジニア、医師、細密な作業を必要とする仕事

例えば、エンジニアはISTP型の性格特性に合った職種です。その理由は、具体的な問題解決を追求し、ただちに結果を見ることができるからです。また、医師もISTP型にとって良い選択肢の一つです。症状や患者の話から診断を導き出すプロセスは、ISTP型の問題解決能力と直感に適しています。

(2) ISTP型の自己理解と自己啓発の方法

ISTP型の性格を持つ人々が自己理解を深め、自己啓発に取り組むためには、まず自分自身の特性を理解することが重要です。

ISTP型の人々は「現実主義者」であり、論理的思考や独自のアプローチで問題を解決します。しかし、これらの特性は社交的な状況で誤解を招く可能性があります。したがって、自己啓発の一環として、他人からどのように perceived（認知）されるかを理解し、コミュニケーションスキルを磨くことが求められます。

また、ISTP型の人々は新しいスキルを学ぶことに興味を持つことが多いです。新しいチャレンジを恐れずに、常に新しい知識や技術を学び続けることで、自己啓発を進めることができます。

表1: ISTP型の自己理解と自己啓発の方法