【MBTIの世界】ENTPタイプとサイコパスの共通点・相違点

目次

1.はじめに

今回の記事は、MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター)の一つであるENTPタイプと、サイコパスと呼ばれる人々の性格について、共通点と相違点を深掘りしていきます。ENTPタイプは「発明家タイプ」とも呼ばれ、創造的でチャレンジ精神に溢れる人々を指します。一方、サイコパスは一般社会的な感情や道徳観念に乏しいとされる人々を指す言葉です。

この二つの言葉が一緒に語られることで、誤解や混乱が生じることもあるかもしれませんが、本記事を通じてそれぞれの特性とその違いを明確に理解し、誤解を解消することを目指します。

2.ENTPタイプの特性と性格

(1)ENTPタイプとは

ENTPタイプとは、MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター)という性格診断で示される16の性格タイプの一つです。ENTPはExtraversion(外向性), Intuition(直感性), Thinking(思考性), Perceiving(知覚性)の頭文字を取ったもので、これらの特性を持つ人を指します。

具体的には、以下の特性が挙げられます。

特性説明
外向性人々との交流を好み、元気で社交的
直感性未来志向で、可能性を見つけ出す力がある
思考性客観性と論理性を重視し、情緒よりも理論を優先
知覚性柔軟性があり、状況に応じて行動を変える能力

このタイプの人は、創造的で、新しいアイデアを思いつくのが得意な優れた思考力を持っています。また、議論を楽しむ傾向もあります。

(2)ENTPタイプの長所と短所

ENTPタイプの人々は、その特性から複数の長所と短所を有しています。

【長所】 1.「創造的」:新しいアイデアや考え方に対して非常に開放的で、既存のパターンからの脱却を試みます。 2.「熱意的」:自分が興味を持った事柄に対しては熱中し、積極的に取り組むことができます。 3.「説得力」:強力な説得力を持ち、他人を巧みに説得する能力があります。

【短所】 1.「無計画」:計画性に欠け、断片的な行動が多くなりがちです。 2.「辛抱強さに欠ける」:一つのことに長く専念することが苦手で、新しい刺激を求めてしまいます。 3.「批判的」:自分の思考やアイデアに対する批判に敏感で、反論する傾向があります。

この長所と短所はENTPタイプの特性からくるもので、個々の人により異なる面もあります。

(3)ENTPタイプの一般的あるある事例

ENTPタイプの人々はアイデアを次々と生み出すことが得意で、新しいことにチャレンジするのが好きです。そのため、彼らはしばしば既存のルールを疑問視し、異なる視点から問題を解決するという特性が目立ちます。これらの特性から、「起業家」や「発明家」のようなイメージが強いです。

以下に、一般的なENTPタイプのあるある事例をいくつか挙げてみましょう。

事例詳細
新しいアイデアの提案ENTPタイプは他の人が見落としている可能性や新しい見方を提案します。
議論好き自身の考えを他人に伝え、他人の考えに挑むことが好きです。
ルール無視ENTPタイプは独自の方法で問題を解決するため、既存のルールや体系を無視することがよくあります。

これらの特性は、ENTPタイプの人々が独創的で多角的な視点を持つことを示しています。しかし、この特性が行き過ぎると、他の人々から反感を買うこともあります。

3.サイコパスの定義と特性

(1)サイコパスとは何か

サイコパスとは、一般的には深刻な情緒的および行動的問題を持つ人々を指す言葉です。彼らは他人の感情に無関心で、自己中心的な行動をとることが特徴的です。

具体的な特性を挙げると以下のようなものがあります。

【1】サイコパスの特性

  1. 感情的な無関心:他人の感情に対する理解や共感が乏しい。
  2. 自己中心的行動:自分の利益や欲望を優先し、他人を顧みない。
  3. 道徳性の欠如:社会的なルールや倫理観を無視する傾向がある。

しかし、この「サイコパス」という用語は、専門的な精神医学の文脈では、一般的に「反社会性パーソナリティ障害」の一部として参照されます。これらの特性は個々の程度により異なり、すべてのサイコパスが危険や犯罪者であるわけではありません。

(2)サイコパスの一般的な特性

サイコパスは、一般的に以下の特性を持つとされています。

  1. 感情的な冷淡さ:サイコパスは他人の感情に共感する能力が低く、自分の利益を優先します。他人の苦しみや痛みに対して無関心なことが多いです。
  2. 責任感の欠如:自身の行動や失敗に対して責任を感じることが少なく、問題を他人のせいにする傾向があります。
  3. 適応力と操作性:サイコパスは社会的なルールを熟知しており、それを利用して自分の意志を達成する術を知っています。
  4. 表面的な魅力:初対面の人を引きつけるカリスマ性や魅力を持つ一方で、深い人間関係を築く能力に欠けています。

これらの特性は、社会生活において問題を引き起こす可能性があります。しかし、全てのサイコパスがこれら特性を全て持っているわけではありません。これらは一般的な傾向を示すものであり、個々の差があることを理解してください。

4.ENTPタイプとサイコパスの共通点

(1)挑戦的な性格

ENTPタイプの人々とサイコパスに共通する性格の1つに、「挑戦的な性格」が挙げられます。

ENTPタイプは、「起業家」とも称され、新しいことや未知なるものに対し、好奇心旺盛に挑んで行く姿勢が大きな特徴です。彼らは障壁があるとむしろ刺激を受け、それを乗り越えるための工夫や改良を楽しむ傾向にあります。

一方、サイコパスもまた、規範や慣習にとらわれず、自分の目的達成のためにはどんな手段も厭わない挑戦的な性格を持ちます。「挑戦的」であることの背後には、二者とも高い自己顕示欲や競争心が存在します。

しかし、この挑戦的な性格の背後にある目的や意図は、ENTPタイプとサイコパスで大きく異なることに注意が必要です。これについては次章で詳しく解説します。

(2)頭脳戦を好む

ENTPタイプとサイコパスは、共に頭脳戦を好む傾向があります。これは、その高い知的好奇心と論理的思考力が原動力となっています。

ENTPタイプは、「起業家」や「発明家」とも形容されるほど、新たなアイデアを生み出すことを愛し、そのために知識を吸収することを楽しみます。また、彼らは物事を多角的に捉え、論理的に思考する能力が優れています。その結果、頭脳戦においても高いパフォーマンスを発揮します。

一方、サイコパスは、自己の利益を最優先する傾向があるため、目的を達成するためには策略を巡らせることも厭わないとされます。彼らの冷静な判断力と独自の視点は、頭脳戦において一歩先を行く戦略を立てるのに役立ちます。

これらから、ENTPタイプとサイコパスは、頭脳戦を好むという共通点を持つものの、その目的や動機は大きく異なることが分かります。

(3)自己中心的な行動

ENTPタイプとサイコパスの両者は、自己中心的な行動をする傾向にあります。それらは、自身のアイディアや意見を推進するために、周囲を巻き込む力強さを持っていることから来ています。

具体的には、下表のようになります。

ENTPタイプサイコパス
自己中心的な行動自身のアイディアや計画を進行するため、他人を動かすことが多い。自分の目的を達成するために他人を利用することがある。

しかし、ENTPタイプの自己中心的な行動は、新しいアイディアを広め、人々を鼓舞する目的が基本です。一方、サイコパスは自己満足や自分の目的の達成が優先されることが多いです。

したがって、自己中心的な行動が見られることは共通点ではありますが、その根底にある意図や目的は異なります。

5.ENTPタイプとサイコパスの相違点

(1)人間関係の取り扱い方

ENTPタイプとサイコパス、二つの性格型の間には、人間関係の取り扱い方において顕著な違いが見られます。

まず、ENTPタイプの人々は、新しいアイデアを生み出し、共有することが好きとされています。彼らは議論を通じて新たな視点を取り入れ、積極的に人々と交流します。しかし、その一方で、自分の意見が認められないときには感情的になりやすいとも言われています。

一方、サイコパスは、他人をコントロールし、利用することが特徴です。他人の感情や意見を尊重するという概念はほぼ無視されます。人間関係は彼らにとって「手段」であり、それ自体が目的ではありません。

ENTPタイプサイコパス
人間関係の取り扱い方議論を通じた交流を好む他人をコントロール、利用する

以上から、ENTPタイプとサイコパスの人間関係の取り扱い方については、根本的な違いがあることが理解できます。

(2)感情の表現方法

ENTPタイプとサイコパスは、感情の表現方法において大きな違いが見られます。

ENTPタイプの人々は、しばしば感情をオープンに表現します。友情、愛情、喜び、悲しみなど、あらゆる感情を率直に表現することが可能で、人々とのコミュニケーションにおいてもそれが一貫して現れます。

一方、サイコパスは感情を表現する能力が欠如していると言われています。彼らは真の感情をほとんど体験せず、またそれを他人に伝える能力も乏しいとされています。サイコパスの感情表現は、主に他人を操作するための道具となります。

ENTPタイプサイコパス
感情の表現自由で率直欠如または偽装

これらの違いは、ENTPタイプとサイコパスの間に明確な区別を生成し、両者の間の深淵な差異を浮き彫りにします。

(3)倫理観

ENTPタイプとサイコパスの大きな違いの一つは、倫理観の存在にあります。

ENTPタイプの人々は、外向的で創造的な思考を持っている一方で、倫理的な価値観に基づいて行動します。彼らは個々の自由や可能性を重視する一方で、他人の意見や感情を尊重することを理解し、時には調整します。

一方、サイコパスの人々は、自分の興味や欲望が最優先で、倫理観や他人の感情を無視する傾向があります。サイコパスは一般的に、他人の感情を理解する能力や共感力が欠如しており、倫理的な規範を無視することが少なくありません。

以下の表が、両者の違いを端的に示しています。

ENTPタイプサイコパス
倫理観倫理的価値観に基づく行動自己中心的な行動
他人への理解他人の感情を尊重・理解他人の感情を無視
共感力高い低い

この違いは、ENTPタイプとサイコパスとを区別する重要な要素となります。

6.ENTPタイプとサイコパスとの関連性についての誤解

(1)MBTI診断結果と性格障害の違い

MBTI診断と性格障害のサイコパスは、どちらも人の性格を評価するツールではありますが、その目的と扱い方には大きな違いがあります。

MBTI診断は、個々の性格タイプを理解し、その強みを活かすための工夫や、弱点を補うための改善策を見つけるための手段です。それぞれの性格タイプには良い点と改善すべき点がありますが、どのタイプも等しく尊重され、否定されるものではありません。

一方、サイコパスというのは、DSM-5という精神疾患の診断マニュアルに記載されているような性格障害の一つで、他人への共感の欠如や無責任な行動など、社会的な問題を引き起こす可能性のある特性を示します。これは治療やケアが必要とされる病的な状態を指すもので、MBTI診断結果と混同するべきではありません。

(2)性格診断の結果をどう解釈するか

性格診断の結果は、あくまで一人ひとりの個性を理解し、自己理解やコミュニケーションの手助けとなるツールです。それは固定的なものではなく、状況や経験により変化することがあります。

たとえば、あなたがENTPタイプであると診断された場合、それはあなたが創造的で、新しいことを試すのが好きで、頭の中で多数のアイデアを巡らせる傾向があることを示しています。しかしながら、それはあなたが必ずしもサイコパス的な性格を持つわけではありません。

また、MBTI診断結果は、その人がどのような性格分類に当てはまるかを示すものであり、その人が特定の行動をとることを強制するものではないという点も理解しておく必要があります。

したがって、性格診断の結果を適切に解釈するためには、それを固定的なものと捉えず、自己理解と成長の一部と位置づけ、自己の行動や人間関係を深めるための一つの視点として扱うことが重要です。

7.まとめ

本稿では、ENTPタイプとサイコパスの特性について詳しく解説しました。共通点としては、挑戦的な性格を持つことや頭脳戦を好むことなどがありますが、一方で人間関係の取り扱い方や感情の表現方法に顕著な違いが見られます。

あくまでENTPタイプはMBTI診断における一つの性格タイプであり、これがサイコパスを意味するわけではないことを強調しておきます。性格診断はあくまで自己理解の一環であり、他人や自分自身を深く理解するツールとして活用すべきです。

表1:ENTPタイプとサイコパスの共通点・相違点

ENTPタイプサイコパス
共通点挑戦的、頭脳戦を好む挑戦的、頭脳戦を好む
相違点人間関係を大切にする、感情を表現する人間関係を無視する、感情を表現しない
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この記事を書いた人

自己啓発本やビジネス書など、年間100冊以上を読む運営者が古今東西の自己啓発をおまとめ。明日の自分がちょっと楽しみになるメディアを目指しています。

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