成功の秘訣は性格にあり？MBTIで解き明かす起業家の特性

January 21, 2024

1. はじめに

MBTIと起業家性格についての簡単な説明

MBTI（マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター）は、人間の性格を16種類に分類する心理学的ツールです。このツールは、起業家が自身の性格を理解し、ビジネスの成功に役立てるための一助となります。

起業家型とされるのは「ESTP」です。これは、外向的（Extraversion）、現実的（Sensing）、思考型（Thinking）、柔軟性（Perceiving）の4つの性格特性を持つ人々のことを指します。ESTP型の人々は、具体的な事実に基づいて直観的に行動し、新たな機会を見つけ出すことが得意な傾向にあります。

MBTIは自己理解の道具として、また他者理解やコミュニケーション改善、チームビルディングにも使われます。起業家自身が自分の性格を理解することで、その強みや弱みを理解し、自分に合ったビジネススタイルを確立することが可能となります。

2. MBTIにおける起業家型（ESTP）の性格特性

ESTP型の一般的な性格特徴

ESTP型は、「体験者」とも呼ばれる実践的な性格タイプです。直感と即座の判断力に優れ、リアルタイムで情報を処理します。自分自身が関与し、手を動かすことで新たな知識を得ることを好みます。また、物事に対する洞察力と即座の反応性により、突発的な状況にも柔軟に対応します。

ESTP型は人間関係においてもスムーズで、コミュニケーションを通じて周囲との関係を築くことが得意です。対人スキルに長けており、他人の気持ちを理解し、互いに利益を共有できる状況を生み出すことができます。

しかし、長期的な計画や抽象的な理論には苦手意識を持つことがあります。具体的かつ実行可能な計画が好まれます。

以上が、一般的なESTP型の性格特徴です。起業家にとって重要な能力は、このESTP型に多く見られます。

ESTP型の長所と短所

ESTP型の起業家は、一般的に以下のような長所と短所を持つと言われています。

【長所】

実行力：アイデアをすぐに行動に移す能力があります。
柔軟性：状況の変化にすぐに対応でき、新しい情報への柔軟な対応力があります。
リーダーシップ：自身の意見をしっかりと主張し、他人を引っ張っていく力があります。

【短所】

長期計画の難：直感的でスピーディな行動に傾くため、長期的な計画を立てることが難しいことがあります。
感情的な判断：決断を下す際に感情に流されやすく、客観的な評価が難しいことがあります。
ルーチンワークへの苦手意識：同じ作業の繰り返しに飽きやすく、ルーチンワークが苦手な傾向があります。

これらの性格特性を理解することで、自分自身の強みと弱みを把握し、成功への道筋をつけることが可能となります。

3. MBTIにおける他の性格タイプと起業家型（ESTP）の相性

相性が良い性格タイプとの関係性

起業家型（ESTP）は、ISFJ型やESFJ型との相性が良いといわれています。何故なら、これらのタイプはESTP型の刺激を求める行動に理解を示し、しっかりとサポートすることが可能だからです。

表1：相性が良い性格タイプとの特徴

性格タイプ	特徴
ISFJ型	人々の感情やニーズに敏感で、保護的な性格
ESFJ型	社交的で、他人を気遣い、世話好きな性格

ISFJ型やESFJ型は、ESTP型の直感的な行動を理解し、助言やサポートを提供できる優れたパートナーとなります。ESTP型がリーダーシップを発揮し、新しいアイデアを提供する一方、ISFJ型やESFJ型はその行動をフォローし、冷静さと思いやりをもって接することが期待できます。

相性が悪い性格タイプとの関係性

起業家型(ESTP)と相性が悪いとされる性格タイプには、主に「理想主義型（INFP）」や「戦略家型（INTJ）」が含まれます。これらのタイプは、深遠な思考や理論構築を好む傾向にあり、ESTP型の実践的で動きやすいスタイルとは対照的です。

【相性が悪い性格タイプとの特徴】

性格タイプ	特徴
理想主義型(INFP)	深い思考を好み、理想と現実の間で葛藤することが多い。
戦略家型(INTJ)	大局的な視点を持ち、複雑な理論を構築するのが得意。

この相性の悪さは、チーム内でのコミュニケーションや意思決定に影響を与える可能性があります。しかし、「相性が悪い」という認識をもつことで、互いの違いを理解し、より良い協働を目指すきっかけにもなるでしょう。

4. 起業家型（ESTP）の特性を活かす職業とその理由

ESTPに向いている職業とその理由

MBTIのESTP型は、即断即決型として知られ、現実的で実践的な視点を持つため、リーダーシップを発揮できる職種が適しています。以下のような職業が特に相性が良いと言えます。

1．営業職：ESTP型の人は社交的で、他人への理解も深いため、顧客との良好な関係を築くことができます。また、即断即決の能力は、場の空気を読みながら迅速に行動する営業職には欠かせません。

2．経営者：リーダーシップを取ることが得意なESTP型は、ビジネスのビジョンを描き、人々を導く経営者の役割にも適しています。また、現実的な視点を持つため、事業を成功させるための具体的な戦略を考えるのも得意です。

3．マーケティング：ESTP型の人は、自分の考えを他人に伝えるのが得意で、その能力はマーケティングの世界でも活かされます。また、直感的な判断力を利用して、市場のトレンドを捉えることも可能です。

これらの職業は、ESTP型の性格的な強みを生かすことができ、自分自身の能力を十分に発揮する場となるでしょう。

ESTPに向いていない職業とその理由

ESTP型の人は、自由で活動的な職業が適していますが、一方で、厳格な規則や単調なルーチンワークが求められる職業は苦手という特性があります。

例えば、公務員や会計士など、規則に基づき細かな作業をこなす職種はESTP型にとってはストレスとなるでしょう。また、研究者やプログラマーのように一人で深く考え込む職種も、社交的でアクティブなESTP型にはマッチしません。

以下に、ESTP型が苦手とする職業とその理由を表にまとめました。

職業	理由
公務員	厳格な規則と単調な作業が必要
会計士	詳細にわたる作業や規則遵守が求められる
研究者	一人で深く考え込む作業が多い
プログラマー	単独での作業と深い専門知識が必要

性格と職業の適合性は個々に差がありますので、これらはあくまで一般的な傾向であると理解してください。

5. 歴史上の有名な起業家型（ESTP）の人物

その人物がESTPである理由やその特性を活かしたエピソード

伝説的な起業家、リチャード・ブランソンは、間違いなくESTP型（起業家型）の一例と言えるでしょう。彼の行動力とリスク対応能力、そして現実的な視点は、ESTP型の特性を色濃く反映しています。

ブランソンは、ヴァージンレコードを始めるために学校を中退した際、その決断を後悔しなかったと述べています。これはESTP型の特性である「即時性の追求とリスク取り」が具体的に表れています。

また彼が新たな事業に関心を持ち始めると、周囲の意見や困難を恐れずに直ちに行動に移す姿は、ESTP型の「現実的な視点と行動力」を示します。

さらに、彼の多角的な事業展開もESTP型の特性である「多様性と変化を好む」という点を体現しています。

ブランソンのエピソードからは、ESTP型の特性がどのように起業家精神に活かされ、成功へと導くかを理解することができます。

6. MBTI診断を利用した自己理解とキャリア開発

自己理解に対するMBTI診断の有用性

MBTI診断は、自身の性格タイプを理解するための有意義なツールです。それは、自己を深く理解することで、自己評価と自己改善を促進し、人間関係の向上、そして最終的には生活全般の質を高める可能性があります。

例えば、起業家型（ESTP）が自身の行動傾向や思考パターンを深く把握することで、その能力を最大限に引き出す方法を見つけることが可能になります。また、自分の弱点を認識し、それを補完するパートナーやチームを見つけるのにも役立ちます。

一方で、他の性格タイプとの相性を理解することで、ビジネスや人間関係における対人関係の問題を先取りして解決することも可能です。これは、MBTI診断が人々の行動や意思決定、コミュニケーションスタイルを明確に捉えることができるからです。

以上のように、MBTI診断を活用することで、自己理解を深め、より良いビジネス展開やキャリア開発を進めることが可能となります。

キャリア開発におけるMBTI診断の活用方法

キャリア開発におけるMBTI診断の活用方法は多岐にわたります。まず、自身がどの性格タイプに当てはまるかを把握することで、自分の強みや弱み、そして改善すべき点を明確に認識することができます。これは、自身のキャリアパスを設計する上で非常に有益な情報となります。

また、MBTI診断は職場の人間関係構築やコミュニケーション改善にも役立ちます。相手の性格タイプを理解することで、より効果的なコミュニケーション方法を身につけることが可能となります。

更に、適職探しにもMBTI診断は有用です。各性格タイプには向いている職種や業界が存在します。自身の性格タイプと照らし合わせて考えることで、より自分に合ったキャリア選択が可能となるでしょう。

表1: MBTI診断の活用例

活用場面	具体的な方法
自己理解	自身の性格タイプを把握し、強み・弱みを認識
人間関係構築	相手の性格タイプを理解し、適切なコミュニケーションを図る
適職探し	性格タイプに基づいた職業選択を行う